お待たせいたしました、『月の平均台』、客演インタビュー、五人目にご紹介いたしますのは主浜はるみさんです。正直、美人過ぎてうかつに話しかけられません。あんまりしゃべったことがないまま、インタビューに突入。なにか核心を探り当てたい。。。


服部:えーと、最初になんとなく出身地から教えていただけますか。
主浜:出身地は、東京です。下北沢の近く。
服部:他のところは住んでないんですか。
主浜:うん、住んでないよ。なんかそれで膨らませようとした?
服部:ううん、大丈夫です、これは最初のあれなんで。


あれってなんだよ。森の入り口でうろうろしています。じっくり、じっくり。


服部:お誕生日はいつなんですか。
主浜:9月の29日です。プレゼントお待ちしてます。住所も言っとこうか?うふふふ。
服部:いいんですか、住所も。いろいろ手紙が来ちゃいますよ。
主浜:いやいや、プレゼントも来るんでしょ?(笑)
服部:えー、ここ1年でけっこうなので、どんなお芝居をしてきたかっていうことを教えてください。
主浜:えーと、去年の9月に、演会っていうところの『高砂事変』、場所がシアターグリーン。10月に、えっとね、団体名なんだったっけ。ハルベリー。ハルベリーっていうところの、『きみのコトバ』をやって。(*1)で今年の2月に、東京ネジの、「ナルシグナル」やって。(*2)で、3月に、演出で、OZabって団体のとおい、うーん、ちがう、みちかけ、あ、違う。違う違う、『コントラ』、えへへへ。演出だけ、やりました。(*3)
服部:今の事務所はけっこうもう長いんですか?
主浜:5年位かな。
服部:事務所のほうから、舞台としての仕事は特に。
主浜:あー、ない。イベント制作会社なので、もともとが。夏と冬とミステリーっていう、イベントやってて。夏はミステリーナイトと言って、東京だと、池袋のメトロポリタンホテルで毎年やるんだけど。ホテルに人を集めて、お客さんが探偵役になって。300人ぐらい集まるのかな?宴会場に舞台を作っちゃって、イスばーって並べて、300人くらいの前で、ま、なんかちょっと、事件が起きるお芝居をする。その事件を、まあ、だいたい人が殺されるんだけど、犯人が誰かとか、どういうトリックだとか、動機が何だとかいうのを、お客さんが、他の部屋にちりばめられてあるヒントみたいなの見て、考えて。
服部:えー!それ、300人がみんな考えるんですか。そんなのできるんだ。
主浜:うん。で、回答用紙みたいのに書いてもらって。次の日の朝、解決編ていって、実はこういうことが起きてました、っていうのをやって。それで、犯人を当てたり、得点がよかった人に順に商品をあげる。
服部:泊まりでやるんですね。すごーい。300人ってでも、すごいですね。
主浜:そうだね、だいたいね、東京では2回か、3回公演やるんだよね。ま、でも、毎回300人ってわけじゃなくて、東京で一番多くてだいたい300人ぐらい。それでまったくおなじことを、地方で、大阪でやったりとか、福岡でやったりとか。


舞台以外での演技の仕事、3月には初演出も経験し、多方面で活躍の主浜さん。その自分の演出した作品のタイトルが出てこなくって「えへへ」と笑っちゃってますが、タテヨコとはどんなふうに出会ったのか、覚えてらっしゃいますか?


主浜:一番最初は温太郎くんと、オーディションで会って。ニセS高原のオーディションで。でも会ってっていうか、あたしが一方的に認識しただけなんだけど。なんか髪が長くて、でかくて、目つきが悪い、変な人がいるなって(笑)。で、温太郎くんと、グリングの、飲み会で、目の前の席に座って。
服部:へえ、
主浜:どっかで会ったことありますよねみたいな話をして、それで、あー、たぶんニセS高原のオーディションだっていうことで。今度、タテヨコ企画観にいきますねーみたいな感じで。一番近かったのが、散歩道楽とタテヨコ企画の、
服部:へー、合同公演ですね。
主浜:そうそうそう、サンモールスタジオ?あれを見に行って。
服部:「宇宙も終わる」、太田さんが台本で、横田が演出したってやつです。
主浜:そうだっけ。演出したんだっけ。なんか温太郎くんがアロハシャツ着て、
服部:あの、(お姫様)抱っこしてたやつですね。
主浜:そうそうそう。それで観終わった後に、よかったら飲みに来てくださいよみたいな感じで。そこで横田さんとも、「こんにちは、初めまして」って。あ、初めましてじゃないんだ、その、グリングのとき、横田さんもいたんだよね。
服部:へぇ。
主浜:こんにちはって。で、ね、もし機会があればなんか、みたいな話がそこで、あったんだけど、ま、でもそれから2年ぐらいだよね。その後、あたしが女子三人で、ちょっと旗揚げをした企画があって、で、男性がひとり欲しいって役者を探したんだけど、なかなかこう、自分の友達の中からピックアップしても、都合があわないとかいろいろあって。それで、一回しかそうやってちゃんと飲んだことがないような温太郎くんに、ぜひやってほしいなってのがあって、mixiのメールで誘ってみたら、出てくれた。
服部:ぼく、それ見ました。
主浜:ありがとう。それで、横田さんに、そんとき、アフタートークみたいのもお願いしたりして。ま、客寄せのためにね。へへへへへ。
服部:キャパとかすごいちいさいところでしたもんね。
主浜:うん、30人入ったらいっぱいいっぱいみたいな。とにかく回数多くやらないと、無理だねっていう話で。3回公演とかやった、土日とか。
服部:あー、そうでしたね。
主浜:人手が足りなくてね。いろいろ、お世話になりました、タテヨコさんには。
服部:あれ、それでじゃあ、タテヨコの芝居で見てるのは?「宇宙も終わる」と、
主浜:見てるのは、春のズボンと、ムラムラと、あとこないだのカタカタの。カタカタは三本みました。
服部:ありがとうございます。なんかタテヨコ企画のイメージというか、そういうのは。
主浜:なんだろ、ほんわかしてるっていうか。日常のいろんなね、悲しい出来事だったり苦しい出来事だったり。たぶんそういうのを描いてるんだけど。わたしきらいなのが、行き場のない思いみたいなのが行き場のないまま終わっちゃうのとか、ああもう駄目なんだこの人たちみたいな感じで終わっちゃうのが好きじゃなくて。どんなことがあっても、でも大丈夫だよね、なんとかなるよね、って終わって欲しいので。そういうところがタテヨコは好きだなって思うし。
服部:タテヨコは、駄目なままで終わる感じじゃないっていう?
主浜:うん、うん。あと、なんか、「本当に嫌な人間」が出てこないっていうか。日常ですごい嫌な人もさ、やっぱりきっとなんかいい部分があったりするんだろうな、って思うでしょ?だからその、本当に嫌なだけの人間ていうのが出てこないっていうのが、わたしにとっては、その方がリアル、な気がするし。


ところどころしっかり忘れながらも、ちゃんと覚えていてもらえました(笑)。さて、今回の『月の平均台』も、行き場のない思いみたいなのがたっぷり描かれていますが、その行方はどうなるのか!それは劇場でのお楽しみ。ここでは、主浜さんのエピソードを。


服部:今回、妻がいなくなっちゃうっていうお話なんですけど、なんかそういう、大切な人だったり、ものでもいいんですけど、なくしちゃったとか、いなくなっちゃったというエピソード、があれば、
主浜:あたし、なんか記憶障害なのかわかんないんだけどさ、あんまりいろんなことを覚えてないんだよね、楽しかったことも、なんか悲しかったことも、あんまり覚えてなくて、
服部:へー。
主浜:なくした・・・?なくしたねぇ。・・・えー、まあ、いろいろあったんじゃないでしょうか、あはははは。
服部:なんかその、たとえばいま思い出せないことに対しても、特にストレスは感じない?その覚えていないことに関して、
主浜:うん、全然感じない、へへへ。
服部:そういうのに対して、悲しくない?それともそのときは悲しくても覚えてないっていう感じですか?
主浜:そうそう、なんかね、すぐ忘れちゃうんだよね、だいたい。すぐ忘れちゃうっていうか、今、覚えてることはあんまりない。・・・なんかあたし、人が死ぬとかっていうこと、に、興味があるらしくって。
服部:あー、そうなんですか、
主浜:うん。好きな映画とかをあげるとね、だいたい人が死のうとしてるとか、人が死んじゃうかもしれないとか、死んじゃったとか、そんな話が多いんだよね。
服部:たとえば?
主浜:一番好きなのは、「バーディ」っていう映画なんだけど。ニコラス・ケイジがまだ若い頃に、あれ、誰だっけ、相手役の。相手役の人、名前が思い出せない。だけど、なんかベトナム戦争の後遺症のお話、なのかな。
服部:それは、死んじゃうとかなんとかって、そういう要素で好きなんですか?
主浜:いや別に、それで好きとかじゃないんだけど、
服部:要素としてそういうのが含まれているのが多い?
主浜:そうそうそう、結果的に。あと、『桜桃の味』って。キアロスタミ。自殺したくて穴を掘って、
服部:あ、見た!イランのやつですよね?
主浜:そうそう。その穴に、土を掛けてくれるひとを探す話。あれ、何が好きかって、音楽を一切使ってないところが好きなんだよね。ほんとになんの盛り上がりもないのに、音楽一個もなくて、それなのにすーっごい魅せられてしまって。あれはいいなって思いました。と思ったら、あ、これ人が死のうとしてる話だなって。そういうのが多い、


残念ながら、みごとに記憶障害をわずらって、エピソードは笑いの向こうへと消えてしまいました。そしてなぜか話題は映画の話に。うーん、主浜さんの水脈は複雑だ。


主浜:今回、舞台が楽しみだね。セットっていうか?駅前劇場で、ああいうことやったひとって、いるのかな。
服部:いやぁ、ちょっとぼくは、
主浜:まあ、あたし、駅前でたぶん、50本は見てると思うんだけど、
服部:あんまり記憶にないですか、
主浜:うん、だいたい普通に舞台だよね、一般的な。だから、春のズボンのときに、こんなふうに使えるんだ、ここ、知らなかったって思って。そのあと一回、どっかが似た感じでつかってたけど、どこだったかな。その2本、くらいだもんね。
服部:しかも穴もありますからね。
しかも、穴があるんです。駅前劇場が森になる。主浜さんの記憶にもバッチシ刻まれること間違いなしのこの舞台、『月の平均台』は、いよいよ5月28日より下北沢駅前劇場にて始まります。どうぞ、お楽しみに!



インタビュー:2008年5月3日



主浜さんのグッボイス:
http://torihitori.seesaa.net/article/97663949.html


*1:『きみのコトバ』作:山本滋久 演出:いずみよしはる、07年10月、劇場MOMO
*2:『ナルシグナル』 作:佐々木なふみ 演出:佐々木香与子、08年 1・2月、王子小劇場
*3:『コントラ』 脚本:長谷川朋史 演出:主浜はるみ、08年3月、劇場MOMO

 
 
 

 

 

 

  インタビューリスト
 ・ 成田亜佑美
 ・ 藤田貴大
 ・ 召田実子
 ・ 土田祐太
 ・ 主浜はるみ
 ・ 西山竜一(無機王)
 ・ 代田正彦(北区つかこうへい劇団)

 

  


  
 

  
 

  
 

  
 


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