ムラムラインタビュー、いよいよ5人目の男、地獄谷三番地さんに登場願います。28歳、出身地は仙台ということなのですが・・・。


じ:仙台なんすけど、生後1ヶ月で広島に引っ越しているんです。
と:広島に?1ヶ月で?
じ:だからよく言われるんですよ、仙台出身じゃないみたいな。でも広島は、これまた1年で引っ越してるんです。で、次が静岡なんすよ。
と:へえ。
じ:静岡の東新町。そこからさらに豊田町っていう町に引っ越したんです。この2ヶ所で5年。豊田町には小学校2年生までいたんですね。で、3年生から名古屋なんです。
と:へー、すごいいろいろ行ってるね。
じ:まだあるんですよ。名古屋に小3から中1まで5年間いて、で、中2から高3までが兵庫県の西宮市。
と:すごーい。旅の人生。
じ:西宮はほんといいとこなんですよ。西宮っていうのは、梅田と神戸の間なんですよね。だからすごい出やすい。大阪にもすぐだし、神戸の三宮とか。京都も近い。
と:じゃ、けっこうもう遊びあるいてたの?
じ:そんなに遊び歩いてはいないけど、住んでるときは、そんなに。・・・あの、怖いんですよ。名古屋から引っ越したら、すんごいその、関東に対して敵対意識っていうのが、ほんとにあるんです。で、名古屋ってのはどっちかって言うと関東よりだから。「じゃん」とか言うんですよね。で「じゃん」とか言うと、「何いっとんねん」みたいな、
と:いじめられたり?
じ:いじめられはしないですけど。標準語とか、関東に対する意識がものすごい強いんですよ。すばらしい土地だと思いますよ。すごいそのなんかね、誇りを持ってるんですよ、自分たちに。
と:へー。じゃ、これでもう関西弁に?
じ:関西弁になるんですけど、大学は千葉なんです。千葉にきたら、また戻って。
と:これはもう、家族とかじゃなくて、
じ:一人で。で、実家は浜松にあるんですよ。でも浜松の家には一回も住んでないんです。こっからはずっと一人。今は、東京です。


放浪人生。こういう人生だと、こころがやたらと自由になれそうな気がします。自由に羽ばたく三番地ンが、芝居と出会ったのは、学生のとき。


じ:高3のときに、受験するじゃないですか。受験勉強って面白くないじゃないですか。それで映画をね、よく見てたんですよ。
と:映画?
じ:映画、ビデオとか。で、素敵だなって思って。すごいもう鬱屈してたから、受験勉強で。あー、映画とか面白いなって思って。で、大学入って、映画関係のサークルに入ろうと思ってたんですよ。それで行ったんスけど、ケンカ売られて、なんか知らないんスけどね。まあ、ぼくが生意気だったのかもしれないんですけど。もうここ、怖いからやめようと思って。それで、似た空気を出していた演劇サークル行ったんですよ。
と:へー。
じ:最初から、書きたかったんです。でもなんか、最初は出たほうがいいよとか言われて、で出たんです。それが1年生のとき。
あ、そうなんだ。最初、書きたかったんだ。
じ:鬱屈してたから。


そうです、さんばんちんは、俳優だけでなく、劇団上田の作・演出さんでもあるのです。劇団上田のメンバーは、千葉大のサークルで一緒にやっていた仲間たち。


じ:大学卒業して最初千葉でみんなやってたんですよ、上田。いかんせん千葉じゃ遠いって言って、
と:千葉市でやってたんですか。
じ:ええ、でも上田には、千葉出身一人もいないんですよ。
と:千葉大ってそもそも、いろんな出身地のひとが多いんですか?
じ:いや、千葉がやっぱ一番多い。でも僕たちは、幸か不幸か、千葉市っていうか、千葉県出身もいないですね。だから、
と:別に千葉じゃなくても?
じ:そうそう、千葉に愛着があるって言っても、ウソになるから。
と:何年くらいいたんですか、卒業してから。
じ:3年いました。25まで。で、うだつがあがらないから、東京行こうよって出てきた。
と:上田の今いるメンバーって、サークルのときからなんですか。
じ:そうそう。みんなサークルの。
と:すごいね。あれ、地獄谷って名前はいつから、
じ:上田始めたときからです。
と:あ、学生のときから、
じ:大学3年生のときから、これです、
と:自称ですか?
じ:自分で。
と:由来とかあるんですか、
じ:いや、ないんです。
と:ないことないでしょう。
じ:みんなでとりあえず、考えようって。みんな自分で考えたんですけど、一回言ってみようって。やっぱ、それはやめたほうがいいじゃないかとか、あるじゃないですか。それで決めたときになんかね、なんかあったんだよな。
と:ほんとに覚えてないのか・・・。地獄の三番地って、これセットですよね。
じ:うん、そうそうそう、
と:でもきっと、「地獄」が最初に決まったんじゃないかと思うんですよね。で、「三番地」は後から、ユーモアですよね。
じ:うん、ユーモア、ユーモア。
と:これはあれですか。悪とか、そういう、極悪とか、
じ:いや、
と:不良とか、
じ:いや、
と:あ、そういう怖い名前をつけようって、思ったわけじゃないんですか。
じ:怖い名前をつけようっていうのは・・・。
と:あの、サングラスのああいうイメージというか、あれも、劇団のカラーですよね?
じ:そう、そう。でも怖い名前をつけようっていう気はない。ただなんかインパクトは、あったほうがいいんじゃないかって思ってました。
と:初めて聞きましたよ、地獄谷なんて。
じ:うん、ま、そうっすよね。怖い?怖いって相手を威嚇するとか?それはないですね。
と:ふーん、ムーミン谷じゃだめだ、とか。
じ:まあ、うふふ、
と:ムーミン谷三番地とかだったら。
じ:だからやっぱり、インパクトプラス迫力みたいのはあったかもしれない。たしかにそうですよね、ムーミン谷でもいいかっつー話ですよね。それはない、ムーミン谷はないです。ゆるい名前をつける気は、確かになかった、うんうん。
と:はいはい。


ユルクナイ名前で東京に出てきた地獄谷三番地。タテヨコさんと初めてすれちがったのは、いつのことなのでしょうか。そのころのことをお聞かせくだせぇ。


じ:一緒にイベントやったんですよ、去年の7月の。アレが最初なんです、
と:林家二次会。
じ:このイベントで、横田さんと一緒に作演をやることになって。新宿のレストランで初めて会いましたよ。
と:お互いに知らない同士だったんだ。
じ:知らない、知らない。あ、横田さんの第一印象とか言いますか?
と:言って言って。
じ:僕のが先に来てたんですね、会場のレストランに。本番の会場の。で、思ったよりなんか、先生っぽいでしょ。それでびっくりしましたね、わ、先生が来たよ!って。芝居やってるひとって胡散臭いひとが多いじゃないですか。変なヒトっていうの?でもすごいまっとうな感じがして。すいませんね、恐縮ですって言って。それがすごいびっくりしました。
と:芝居のヒトっぽくないなって?
じ:そうそう。
と:それが出会い。
じ:出会い。で、その後『宇宙も終わる』を、見に行ったんですよ。
と:へえ。あ、じゃ、太田さんも出てましたね、
じ:くしくも、合同公演でしたからね。それで8月の上田の公演を、舘さんと横田さんが見に来てくださって、それで。
と:で、あれですよね。『フラミンゴの夢』も、
じ:見ました、もちろん。
と:飲みにも来てもらって。
じ:もちろんもちろん、
と:そっか、そっか。それで今回にいたる。
じ:いたりますね。
と:意外と最近というか。
じ:一年たってないんです。


ばんちンにも、もちろん恒例のムラムラクエスチョンシックス。ばんちのひいたカードは、「一番最初の記憶はどういうのですか」


じ:一番最初に覚えてるのは、静岡のときですね。家の壁に、頭をぶつけて、血を出してる記憶が一番最初かなあ。
と:ええ?
じ:アイスを買ってもらって、うれしくて走って家に入ろうとしたんですよ。そんときに思いっきり頭打って。病院に行ったとかじゃなくて、家で、バスタオルを当てられて、わんわん。しかもアイスがソフトクリームみたいなやつで、全部ずばっと落ちて、ダブルショックみたいな。その記憶ですかね、自分で覚えてるのは。
と:何歳くらいですか
じ:3歳くらいですかね。
と:自分で覚えてるかどうかっていうのはけっこう曲者で、親から聞いた話なのに自分の記憶と勘違いしてたりしますよね。
じ:そうそう、写真とかあるじゃないですか、ちっちゃい頃の。東新町の家も記憶ないんですよ。でも写真は取ってあって。写真見せられるとね、なんか住んでた気がするんですよね。
と:そのアイスはどっちなんですか。
じ:アイスは豊田町です。豊田町は、玄関から扉まで距離があって。扉のとこの隣りが石壁みたいなやつで、そこに走っていったんです。
と:でも、住んでた町がたくさんあるから、記憶が色とりどりですね。ぼくは生まれたのは横浜なんですけど、やっぱり1歳くらいからずっと浦安で。
じ:今も浦安ですか?
と:いや、一年くらい前に家を出ました。
じ:家事とかちゃんとしてます?
と:いや、あんまりしてない。
じ:ぼくけっこう好きですよ。
と:まじですか、料理とかするんですか?
じ:あ、料理はね、できない。
と:あ、料理はしないんだ。え、家事ってなにを?
じ:洗濯とか。
と:洗濯好きなの?ためたりはしないんですか?
じ:ためますけど、いまだかつてさぼったことはあんまりない。料理はよくサボりますけど。掃除も、比較的好き。
と:特になにかに凝ったりするんですか。
じ:凝らない。あ、たまにね、します。エマールとか。冬はエマール。
と:え、何洗うんですか、セーターとか?
じ:はい、セーターとか。洗いません?
と:やー、セーター洗わないっすよ。怖くて。
じ:一回も?季節の終わりも?ちょっとー。
と:干すのはどうするんですか?
じ:干します、普通に外に。
と:え、ハンガーで?ベローンてなんないんですか。
じ:なるなる。でも、今なら、乾くじゃないですか、冬はベローンてなります、あの重みで。
と:ぼく、洗濯の表示の、なんか禁止とかがすごい気になるんですよ、洗いはしないんですけど。
じ:あれ、ビビりますよね。でも、けっこうテキトーにやりますよ。生地見て、「これはエマールだろ」って。ああ、おれ、中途半端かもしんない。ほんとはね、風呂場でやったりするの、あるじゃないですか、お湯で。あれもしない。めんどくさいから。
と:置いて干したり?
じ:しない。陰干しもしない。とりあえず、洗う。めんどくさがり屋なんですけど。でも、汚いのが部屋とかにあるのは、むーんって思うんですよね、むーんって。


エマールでセーターを洗う男、地獄谷三番地が、そのマメさを遺憾なく発揮して迫力たっぷりでお届けする『ムラムラギッチョンチョン』は、下北沢駅前劇場で6月6日から上演中だぜ!そして、桜美林公演は17,18日!


インタビュー:2007年5月6日

地獄谷三番地 information
さんばんちんのグッボイス http://torihitori.seesaa.net/article/43296596.html
劇団上田 http://my-bb.com/ueda/


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