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  タテヨコ企画 第30回公演
 
『月の平均台』2016年3月9日(水)〜13日(日) 於:SPACE雑遊
運命に逆らえ。




■ものがたり■


妻がいなくなった。心当たりはない。

たった一
つの目撃情報を頼りに、夫は見知らぬ森の奥へと足を踏み入れた。
そこは暗い闇の世界。
よからぬ噂が絶えぬところ。

奇妙な森の住人たち、変わり果てた妻、頼りにならない仲間たち・・・
幾多の困難を乗り越えて、夫は妻を連れ帰ることができるのか?
月夜の晩の冒険譚。


運命に逆らう人間の底知れぬ力強さ

どんなに身近な存在であっても、解り合えない想いがたくさんある。
仄かに明るく夜道を照らす月にも、決して見せることがないその裏側があるように。
なにも告げず妻は姿を消した。

僕は両手を水平に伸ばしバランスをとりながら一歩一歩必死に進む。
闇の中を。
平均台の上を進むようにただひたすら。
行き着く先はどこなのか?落ちればそこはどこなのか?
たとえどんな運命が待ち受けていたとしても、
妻に会いたい。

これは運命に対して戦いを挑み、すべてを懸けて妻を探す夫の物語です。


■演出 青木シシャモより■

多くの人はあきらめることにどんどん慣れていく。

大きな流れには逆らわず、自分を圧し殺しても平穏に平穏にやり過ごそうとする。
息苦しい世の中で折れることなく身を保つには必要なことなのかもしれない。
けれども、果たしてそれでいいのだろうか?

身の回りの不合理な事柄に対して、あきらめず流されず抗い戦う人々を見るとその熱量に圧倒される。素敵だと思う。
自分を信じること、何かを求めること。
そのとき表出する人間の底知れぬ力強さに憧れを覚える。

そろそろあきらめるのはやめていいんじゃないか?

あきらめない人間の強さと熱量を舞台上で表現したいと思う。

タテヨコ企画は「生活の一部を切り取り、その中で息づく人間の機微」を描いてきた。
もちろん、今回の作品もその趣旨を引き継いでいるのだが、大きく異なるのは舞台設定が「謎の森」という通常の生活から離れた異界である点だ。
森と化した劇場、そして、夫の行動を妨害する「森の住人」はじめ、そこに集う奇々怪々な登場人物たち。
彼らが熱く歌い踊り戦います。

タテヨコ的ファンタジー(!)

とでも言いましょうか。
熱量高く躍動する俳優たちにどうぞご期待ください。
従来のタテヨコ企画とは一味も二味も違う作品です。

 


【主宰・作 横田より】

劇団に、二人の演出が居ることは珍しくないですが、対等な立場でいることは、特に小劇場ではあまりないかもしれません。しかも私自身は大阪へ居を移し、社長が支店長という何とも言えないお気楽さで演劇作りを楽しむ日々のため、本店の実権はほぼすべてシシャモが握っている状況です。なんだか内輪もめしてるような構図にも見えなくないですが、これが全く、そうではないのがタテヨコ企画の不思議なところです。これからもタテヨコ企画は、世界のどこかで誰かが勝手に支部を作って広がるような、どこか不思議で楽しい集団であり続けたいと思っています。もちろん作る作品には全力投球し、客演の皆様を含めた座組一同、全身全霊で新たな作品を産み出し続ける所存です。皆々様におかれましては、末永くお付き合いいただきたく、何卒お願い申し上げます。

「月の平均台」は、地球から見える月の表側と見えない裏側という非常にシンプルな対称性に、夫婦や家族の関係を投影することで何か見えるものがあるのではないかと目論んだ作品です。結果として、誰よりも描いた私が一番驚く程にファンタジックな要素を含んだ作品となりました。果たして今回、シシャモがどんな肉をつけ、血を流し、如何様なカタチに仕立て上げるのか?新しい「月の平均台」にご期待下さい!

横田修 拝


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