■演出 青木シシャモより■
多くの人はあきらめることにどんどん慣れていく。
大きな流れには逆らわず、自分を圧し殺しても平穏に平穏にやり過ごそうとする。
息苦しい世の中で折れることなく身を保つには必要なことなのかもしれない。
けれども、果たしてそれでいいのだろうか?
身の回りの不合理な事柄に対して、あきらめず流されず抗い戦う人々を見るとその熱量に圧倒される。素敵だと思う。
自分を信じること、何かを求めること。
そのとき表出する人間の底知れぬ力強さに憧れを覚える。
そろそろあきらめるのはやめていいんじゃないか?
あきらめない人間の強さと熱量を舞台上で表現したいと思う。
タテヨコ企画は「生活の一部を切り取り、その中で息づく人間の機微」を描いてきた。
もちろん、今回の作品もその趣旨を引き継いでいるのだが、大きく異なるのは舞台設定が「謎の森」という通常の生活から離れた異界である点だ。
森と化した劇場、そして、夫の行動を妨害する「森の住人」はじめ、そこに集う奇々怪々な登場人物たち。
彼らが熱く歌い踊り戦います。
タテヨコ的ファンタジー(!)
とでも言いましょうか。
熱量高く躍動する俳優たちにどうぞご期待ください。
従来のタテヨコ企画とは一味も二味も違う作品です。