オレオレ詐欺、架空請求詐欺など特殊詐欺事件の全盛である。
各種の周知・呼びかけはされているが約10年間その件数は右肩上がり。被害額は例年300億円を下らない。 その特殊詐欺事件の被害者の8割は高齢者である。
所有財産の多さ、加齢による判断力の低下、独居老人の増加など標的とされる原因は多々言われている。
しかし、本当にそれだけが理由なのだろうか?
そこには階層社会、金銭至上主義や自己責任を強要する世相など閉塞感が漂う現代日本の縮図があるような気がしてならない。
現在、多くの詐欺集団はシステム化され、ある種、一般企業の体をとっていると言われる。高齢者を手玉に取るための手口をマニュアル化、さらには人材育成のための研修まで行われている。組織構成も完全に合理化されている。
かつての豊田商事のように。
実際、豊田商事の手法また人材は多くの詐欺集団に影響を与えている。
豊田商事事件を振り返ることで現代日本が抱える病巣の一端が見えてくる。
今日、誰かに騙されるのはあなたかもしれない。
明日、誰かを騙すのはあなたかも知れない。
これは、自分たちから遠く離れた過去の事件ではなく、実に身近な現在の問題なのである。
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